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2026-06-18

境界知能の子は不登校になりやすい?|不登校にならなかった弟と、分かれ目だった「居場所」

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はじめに

「境界知能だと、うちの子も不登校になるんじゃないか」

そう不安に思って、この記事にたどり着いた方が多いかもしれません。

先に、私の家のことを書きます。私の弟はIQ68、診断は軽度知的障害で、家族では「グレーゾーン」と呼んでいます。勉強は本当に苦手でした。でも――弟は不登校になりませんでした。 中学までの学校生活は、本人にとってむしろ楽しい時間で、今でも当時の思い出話をしてくれます。

兄として弟を26年間見てきて、私が思うのはこういうことです。境界知能だから不登校になる、わけではない。 不登校になるかどうかを分けるのは、知能の数値ではなく、その子にとって学校が「安全で楽しい居場所」になっているかどうか――人間関係と、わかってくれる人がいるかどうか、だと思っています。

「境界知能だから不登校」ではない

不安をあおる情報は世の中にたくさんあります。でも、私の実感は違います。

弟は勉強がまったくついていけませんでした。それでも学校に行きたくないと言ったことは、ほとんどありませんでした。たまに「だるい」と仮病を使って休もうとすることはありましたが、それは勉強ができる子もできない子も同じで、健康な子どものごく普通の「めんどくさい」です。私自身も同じことをしていました。

勉強の点数と、学校に行けるかどうかは、別の話です。テストが0点でも、学校が楽しければ子どもは行きます。逆に、成績が良くても、学校が苦しい場所になれば行けなくなります。境界知能であることそのものが、不登校に直結するわけではないのです。

弟が学校に行けたのは、学校が「楽しい居場所」だったから

では、なぜ弟は学校に行けたのか。理由ははっきりしていると、私は思っています。

ひとつは、友人関係に恵まれていたこと。 弟は人に好かれる性格で、勉強はできなくても友達の輪の中にいました。サッカー少年団ではスタメンで、「これなら負けない」と思えるものがありました。教室の外に、自分の居場所があったのです。

もうひとつは、わかってくれる人がそばにいたこと。 私は弟と年子で、同じ学校・同じ友人関係の中で育ちました。何かあっても話せる相手が、家にも学校の近くにもいた。弟にとって兄の私が一種の「理解者」になっていたのは、自分でも自覚しています。

勉強ができることではなく、「ここにいていい」と思える人間関係が、弟を学校につなぎとめていました。

それでも、大人になって引きこもった時期がある

ただ、これで終わりではありません。

弟は学齢期は乗り切りましたが、大人になって、仕事を転々とし、実家に引きこもっていた時期があります。 その頃は家族にきつく当たることもあり、家の中の空気は重かった。学校には行けた弟が、なぜ大人になって引きこもったのか。

私が思うに、環境が変わって、「楽しい居場所」と「わかってくれる人」を一度に失ったからです。学校という、友達がいて自分の役割があった場所がなくなり、職場ではうまくいかず、理解されない。行ける場所と、わかってくれる人がいなくなったとき、人は年齢に関係なく引きこもります。

逆に言えば、これは学齢期の不登校とまったく同じ構造だということです。

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分かれ目は、知能ではなく「居場所と理解者」

ここまで書いてきて、私がいちばん伝えたいのはこれです。

不登校になるか、引きこもるか――それを分けるのは、知能の高さでも、勉強ができるかどうかでもありません。その人にとって安全で楽しい居場所があるか、わかってくれる人がいるか、です。

弟は、それがあった学齢期は学校に通えた。それを失った時期に引きこもった。境界知能かどうかは、本質ではありませんでした。

だから、もしお子さんが境界知能で、不登校を心配しているなら、見るべきは「勉強の遅れ」ではなく、**「この子に、安心できる居場所と、わかってくれる人があるか」**だと思います。

親ができること

そのうえで、家庭でできることを、弟を見てきた経験から書きます。

  1. 勉強で追い詰めない。 成績を上げようと無理をさせると、学校そのものが苦しい場所になります。勉強との向き合い方はこちらの記事に詳しく書きました。

  2. 人間関係と「好き」を守る。 友達、習いごと、好きなこと。勉強以外の「ここなら大丈夫」を一つでも多く残してあげること。これが学校につながる命綱になります。

  3. 「誰か一人の理解者」を作る。 親が一人で抱える必要はありません。親のどちらか、きょうだい、祖父母、先生――本人が心を開ける人が一人いれば、ずいぶん違います。親が抱え込まないことについてはこちらの記事に書きました。

  4. 行きしぶりは、頭ごなしに叱らない。 「だるい」程度の仮病は子どもにつきものです。でも、本当に行けなくなっているときは、学校が安全な場所でなくなっているサインかもしれません。無理に行かせるより、何が起きているかを聞くことが先です。

もし今、行きしぶっているなら

すでにお子さんが学校に行きしぶっている、あるいは行けなくなっている――その渦中にいる方へ。

無理に学校に戻すことを、第一の目標にしなくていいと、私は思います。大事なのは、学校でも家でもどこでもいいので、その子が「ここにいていい」と思える場所と、わかってくれる人を確保することです。それさえあれば、子どもは少しずつ動き出せます。

そして、そのためにはまず、その子が何が好きで、何が得意で、何に困っているのかを知ることが出発点になります。学校に行けない理由は、その子によってまったく違うからです。

その子の居場所と特性を知ることから

私たち家族が作っているアプリ「ヨゾラ」は、相談するだけで、その子の傾向(好き・得意・苦手・効いた関わり方)が少しずつ溜まっていくツールです。「不登校をどうにかする」より「この子にとっての居場所と、わかってくれる関わり方は何か」を考える材料として使ってもらえたらと思います。

境界知能だから不登校になる、わけではありません。その子の居場所と理解者を守ることが、いちばんの支えになると、私は信じています。

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