2026-09-26
境界知能の子の一人暮らしはいつ始まるのか|社宅で始まった弟の一人暮らしと家族のサポート
はじめに
境界知能やグレーゾーンの子を育てていると、いつか必ずこの問いにぶつかると思います。
この子は、一人で暮らせるようになるのか。 どのタイミングで、どのようにすれば一人暮らしをさせることができるのか。
私の弟は26歳でIQは68です。診断は軽度知的障害で、家族の中では「グレーゾーン」と呼んでいます。
弟は今、実家を出て一人暮らしをしながら働いています。
今回はそんな弟の一人暮らしを始めるまでの経緯と家族のサポートについて書こうと思います。
結論:準備して出したのではなく仕事の都合で結果的に一人暮らしが始まった
弟が本格的に一人暮らしを始めたきっかけは、完全に仕事の都合です。
他の記事で書きましたが、あるタイミングで家に帰ることができなくなり 家出をした流れで、仕事を見つけ、仕事場で住環境を用意してもらったのがきっかけでした。
親が計画して「そろそろ独立させよう」と決めた日があったわけではありません。
メインは社宅
弟の住まいは、仕事場の人が用意してくれた社宅がメインです。
何度か仕事を変えていますが、その度に社宅を用意してもらっている形だと思います。
これはうちにとって大きなメリットがありました。
社宅なので初期費用がかかりませんし 家賃なども給料からの天引きです。
物件探しも、契約も、保証人も、家賃の振込も発生していません。
一人暮らしで最初につまずきやすい手続きをほとんど通らずに済んでいます。
家具は母と職場の人のサポートで
家具は、部分的に母親が揃えたものもあります。
会社の中の知り合いの人からもらうようなこともありました。
一式を買い揃えたわけではありません。
生活の教え込みはしていない
出す前に生活の練習をさせたかというと、していません。
正直なところ、そこまで重度ではないため普通に生活はできています。
ここは家庭によって差が出るところだと思います。
うちの弟の場合は家事ができないから一人暮らしができない、という状態ではありませんでした。
家族が今も続けている2つのこと
一人暮らしを始めたら家族の負荷が軽減されることは確かですが 完全に何もしなくていいわけでは無いです。 当然一人暮らしならではの弊害が出てきます。
各種問題に対しての対応策として今も続けているサポートは主に次の2つです。
1. 金銭的な援助
定期的に行っています。
給料から家賃が天引きされる形でも、それだけで全部が回るわけではありません。
お金の管理が下手なのでその都度必要な分だけ送るようにしています。
ただ、送りすぎると頼りっきりになってしまうので お金を渡すときは何にいくら使ったのか、これからの計画等々を しっかり聞いて自分の言葉で説明できたら渡すようにしています。
2. こまめな連絡
日常的に連絡は取っています。
本人が困った時も、もちろん連絡してきます。
ここは一人暮らしを始めてから何も変わっていません。
グレーゾーンの特性上、傷つく場面が多いことは理解しているので メンタルのケアの一環として会話する時間を意図的に作っています。
家族でコントロールできることは、ほぼない
離れて暮らしている以上、家族が手を出せることはほとんどありません。
連絡が取れても、こちらが代わりに何かをしてあげられるわけではありません。
一番のデメリットは、そばにいてあげられないこと
危ないことが起きる、という話ではありません。
一人暮らしの中で一番のデメリットだと感じているのは 本人のメンタルが落ち込んだ時に、そばにいてあげられない点です。
これは一人暮らしを選んだ以上、どうにもなりません。
それでも、一人暮らしはさせるべきだと思っています
ただ、悪い面を加味したとしても そのきつい環境を経験させること自体が、自立には必要だと私は思っています。
ニート生活数十年の人のニュースを見るととても心が痛むのですが どうして若いうちにもっと苦難を与えてあげなかったのだろうと思います。
優しさでずっと家に置いておくと、自立に向けた環境を本人から奪うことになります。
優しさと親のエゴを、同一視しないようにしてほしいと思っています。
家に置いておくことが本人のためだと思っていても、実際には親の側が手放せていないだけ、ということがあるのです。
おわりに
弟の一人暮らしは家族が計画して始めたものではありませんでした。
たまたま家に入れない日があって、その流れで仕事を自分で探し、仕事場にたまたま社宅があった。 これが事実です。
家族ができたのは、お金を送ることと、連絡を取ることだけです。
それでも弟は、一人で暮らしながら働いています。
準備が完璧に整うのを待っていたら、たぶんまだ実家にいたと思います。
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