2026-04-10
ADHDの生きづらさを、上司の僕が考えてみた
はじめに
僕は27歳のITコンサルタントで、境界知能の弟を持つきょうだい児です。
初めて部下を持ったとき、その子にずっと怒っていました。この記事はその反省と、そこから気づいたことを書きます。
「やる気がないのか」と思っていた
その部下は、とにかく時間を守れませんでした。
会議に遅れる。納期を守れない。忘れ物が多い。タスクの抜け漏れがある。
最初は「やる気がないんだろう」と思っていました。何度指摘しても直らない。同じミスを繰り返す。僕も段々イライラして、語気が強くなっていきました。
「前も言ったよね?」「なんで確認しないの?」
指摘するたびに関係は悪くなる。本人は萎縮する。でもミスは減らない。お互いにとって時間の無駄でした。
「ADHD気質で、生きにくさを感じている」
あるとき、1on1で本人から打ち明けられました。
「自分はADHD気質があって、ずっと生きにくさを感じている」と。
その瞬間、弟のことが頭をよぎりました。
弟もずっと同じことを言っていました。「なんで自分はうまくいかないんだろう」。仕事を10回以上変えて、どこでも続かなかった弟。周りから「やる気がない」と言われ続けた弟。
僕は弟に対しては理解があったのに、部下に対しては「やる気がない」と決めつけていた。きょうだい児として26年間学んできたはずなのに、職場では同じ過ちをしていた。
指摘は全くの無意味だった
振り返って思うのは、指摘は全くの無意味だったということです。
「時間を守れ」「忘れ物をするな」「抜け漏れをなくせ」。こういう指摘をしても、本人はすでに分かっています。分かっているのにできない。だから苦しんでいる。
これは弟でも同じでした。母親が「ちゃんとしなさい」と言い続けても何も変わらなかった。変わったのは、弟の特性を理解した上で、環境の方を調整したときでした。
「なぜできないか」を一緒に考えた
部下に対してやり方を変えました。
叱るのをやめて、「なぜできないか」を本人と一緒に分析しました。
なぜ会議に遅れるのか。→ 前の作業に集中しすぎて、時間の感覚がなくなる。 なぜ忘れ物が多いのか。→ 準備を「あとでやろう」と思って、そのまま忘れる。 なぜ抜け漏れがあるのか。→ 頭の中でタスクを管理しようとして、容量を超えている。
本人も「なんでできないか分からない」と悩んでいましたが、こうやって一つずつ掘り下げていくと、原因が見えてきました。原因が分かれば、対策も見えてきます。
アラームを設定する。持ち物リストを作る。タスクは全部チャットに書き出す。どれも些細なことですが、「なぜできないか」が分かった上での対策だから、本人が納得して取り組めました。
行動は改善されました。完璧にはならないけれど、明らかに変わりました。
僕が先に傾向分析をすべきだった
今思うのは、僕が最初から部下の傾向を理解していれば、怒る時間は必要なかったということです。
「この人はどういう特性を持っているのか」「何が得意で、何が苦手なのか」。これを事前に把握していれば、指示の出し方も、期待の持ち方も、フィードバックの仕方も全部変わっていた。
怒っていた時間は、お互いにとって無駄でした。関係を壊しただけでした。
知的障害だけではない
僕はきょうだい児として、境界知能の弟と26年間向き合ってきました。
でも社会人になって気づいたのは、生きにくさを感じている人は境界知能だけではないということです。ADHDやASD、診断がつかないグレーゾーンの人も含めれば、想像以上に多い。
共通しているのは、「自分の特性を知ること」が第一歩だということです。
本人が自分を理解できれば、対処法が見えてくる。上司が部下を理解できれば、無意味な指摘をせずに済む。どちらの立場であっても、まず「知る」ことから始まります。
自分を知る、相手を知る
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